工場や建設現場で欠かせないクレーン運転士（クレーンオペレーター）。活躍の場が多く、常に需要があります。とはいえ、クレーン運転士として働くためには資格・スキルが必要なので、誰でもすぐにできるわけではありません。

今回はクレーン運転士の仕事について、どのような資格が必要なのかも含めてご紹介します。挑戦してみたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

クレーン運転士の仕事とは

クレーン運転士は文字通り、クレーンを操作・運転するのが仕事です。仕事の現場により任される内容は異なるものの、主に「資材の吊り上げ」と「資材の運搬・移動」を行います。

◆資材の吊り上げ

クレーン単体の力で資材・荷物を上へと吊り上げます。重い荷物を揺らさずに、かつ周囲に接触しないようコントロールしながら、高所へと資材を運びます。

◆資材の運搬・移動

クレーンを運転して、資材・荷物を運びます。クレーンの種類は多岐にわたりますが、不特定の場所に移動できるかどうかで大きく2つに分類可能です。一般に「クレーン」という場合は移動しないものを指し、移動するものは「移動式クレーン」と呼びます。

クレーンの中で、工場や倉庫でよく使われるのが「天井クレーン」です。天井に設けられたレールに沿って、水平移動しながら資材や荷物を運びます。

移動式クレーンにはエンジンが内蔵されており、不特定の場所に移動が可能です。クレーンを広範囲に移動させながら運搬を行います。

クレーン運転士に必要な資格

クレーン運転士の仕事に就くためには、クレーンの種類に応じて、労働安全衛生法に定められた免許を取得するか、技能講習や特別教育を修了することが必要です。

吊り上げ荷重5トン以上のクレーンを運転するには、免許が必要です。免許は全部で5種類ありますが、以下では「揚貨装置運転士」以外の4つを紹介します。

吊り上げ荷重5トン未満の「床上操作式クレーン」と「小型移動式クレーン」については免許不要です。それぞれ技能講習を修了すれば、操作・運転が可能となります。

◆クレーン・デリック運転士免許

移動式クレーン以外のクレーンの操作・運転に必要な免許です。運転できるクレーンの種類によって、さらに「限定なし」「クレーン限定」「床上運転式クレーン限定」の3種類に分けられます。限定なしの場合はすべてのクレーンと、クレーンの一種であるデリックを運転できます。天井クレーンであれば、床上運転式クレーン限定免許で運転が可能です。

◆移動式クレーン運転士免許

移動式クレーンの操作・運転に必要な免許で、こちらは1種類のみです。クレーン・デリック運転士免許を持っている場合でも、移動式クレーンを運転するにはこの免許がないといけません。一般道を走行する場合には、加えて運転免許証も必要です。

クレーン運転士に向いているのはこんな人

クレーン運転士の仕事をするにあたっては、資格や技術はもちろん、適性も必要です。向いている人の特徴を以下に挙げてみました。

◆機械の操作や車の運転が好き

クレーン運転士は、仕事で常にクレーンを操作します。移動式クレーンの場合は、加えて長時間運転することも。クレーンの操作は難易度が高いものの、機械の操作や車の運転が好きなら、毎日クレーンの仕事が続いても苦にならないでしょう。

◆集中力がある

クレーンは、人力では運べない重いものを吊り上げて運搬するときに使います。ひとつ操作を誤るとたちまち事故につながるため、慎重に操作を行わないといけません。集中力が高いことは、クレーンの操作・運転を行う上で非常に大切な要素となります。

◆プレッシャーに強い

クレーンはひとりで運転するため、緊張とストレスを伴います。忙しいときにはとくに、重い責任を感じることが多いでしょう。そんな状況でもプレッシャーに負けない人は、クレーン運転士に向いているといえます。機械の操縦や運転が好きなら、努力して克服できる部分でもあります。

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