物流業界の仕事というと、まず荷物を運ぶ・配達する「配送・運搬業務」が思い浮かぶのではないでしょうか。しかし実際には、配送や運搬以外にもさまざまな仕事が存在しています。

前編・後編の2回に分け、物流業界の仕事の全体像とともに、さまざまな職種についてご紹介します。物流業界に興味がある方は、仕事内容や必要なスキルをチェックしながら参考にしてくださいね。

事務・管理の仕事

物流業界では、商品等を企業や消費者の元へ正確に運ぶ過程の中で、管理や事務的な仕事も行われています。

たとえば、商品や荷物の保管や整理、梱包、運搬、情報管理といった仕事です。実際に運ばれる荷物そのものを扱う作業もあれば、パソコン作業がメインとなる物流事務の仕事もあります。

・物流事務

物流センターや運送会社、配送センター等での事務作業全般を担当します。伝票の発行や整理、ドライバーとのやり取りや問い合わせ対応、請求書等の書類作成、入出庫管理といった仕事を行います。事務所内でのパソコン作業が多いため、基本的なパソコン操作や一般事務の経験があると生かせます。

正確かつ速やかに荷物が届くよう、電話対応や状況の把握等、臨機応変にドライバーのサポートを担うこともあります。ときにはトラブルの対応を行うこともあるため、コミュニケーション能力に自信がある人に向いています。

・物流管理

主に倉庫内で、商品の在庫や品質維持・管理を目的とする業務です。商品の在庫を確保する、あるいは在庫が多すぎることがないよう、適切な管理を行います。またスムーズに発送作業を行うための指示や手配を行うことも。特別な資格は要りませんが、海外からの荷物を扱う場合は、「通関士」「物流管理士」といった貿易に関する資格があると優遇されるでしょう。

倉庫内での作業

倉庫内では、検品、仕分け作業、梱包など、出荷にともなう準備全般の仕事を行います。一般的な仕事の内容と流れを見ていきましょう。

・入庫作業

検品した商品を、決められた保管場所へ格納、整理する作業。入庫ごとに日付や数量を記録し、倉庫内の管理を行います。経験やスキルに関係なくできるので、未経験でも応募しやすい仕事です。

 ・検品

物流倉庫に届いた商品を検品して、商品に破損や不具合がないかどうかを確認する仕事です。また倉庫から出荷する前には、注文内容と発送内容が合っているかどうかを確認する検品作業もあります。

商品にもよりますが、ベルトコンベアーを使った流れ作業により、検品用の機械や目視で商品をチェックします。いわゆる「軽作業」として求人を見かけることが多い仕事のひとつ。簡単な作業なので経験や資格不要で始めることができますが、責任感があり、集中力と根気がある人に向いています。

・倉庫内の運搬業務

物流倉庫内では届いた商品を保管場所へ格納する、配送のためにトラックへ積み込みを行うといった仕事が常に行われています。台車を使う場合もありますが、多くはフォークリフトでの作業が行われています。

フォークリフトを扱うためには、「フォークリフト運転技術講習修了証」が必要です。資格があれば大いに活躍できる仕事です。

 ・組み立て

倉庫に部品が届く場合は、組み立てる作業が行われている場合もあります。工場や取り扱うものにより異なりますが、仕上げとなる一部の組み立て、または全体を組み立てることもあります。とくに経験や資格は不要で、マニュアル通りに、丁寧にコツコツ作業を行うことができる人なら行うことができる仕事です。

物流倉庫に商品が入荷してからの大まかな流れとともに、関連する仕事内容を紹介しました。出荷とその準備に関わる仕事内容について、また物流業界の派遣の仕事については後編にまとめていますので、ぜひ合わせてお読みください。