日本の雇用環境は、年々激変を遂げています。昔は「派遣は不安定」と言われがちでした。
確かに一面では否定できませんが、一方では決してそうとも言い切れない理由もあります。今回は、あらためて「派遣」という働き方のについて考えてみましょう。

「派遣が不安定だ」と言われる3つの理由

派遣という働き方が不安定だと言われる理由は、主に以下の3点が挙げられます。

雇用期間の制限

派遣法によって、同じ派遣先での就業期間が最長3年と定められています。そのため、3年が経過すると、別の部署への異動や、別の派遣先への転籍を余儀なくされるケースが多いでしょう。
また、契約更新は派遣元会社と派遣先企業の双方合意が必要となります。そのため、企業の業績や人員配置の状況によって、契約が更新されない可能性があり、雇用が不安定になりがちです。

派遣切り

派遣先企業の業績が悪化したり、人員削減を行う場合、派遣社員が真っ先に雇用調整の対象となることがあります。これを「派遣切り」と呼び、派遣社員の雇用不安につながっています。
そして、プロジェクト契約の場合は、プロジェクトの終了に伴い契約が終了することもあります。そのため、長期的なキャリアプランを立てにくく、将来に対する不安を抱えやすいです。

直接雇用ではないこと

派遣社員は、派遣元会社と雇用契約を結んでおり、派遣先企業とは直接的な雇用関係にはありません。そのため、派遣先企業の福利厚生や昇進制度を受けることができず、キャリアアップの機会が限られる場合があります。
直接雇用の社員と比べて、所属感が薄く、組織の一員としての意識を持ちにくいという側面もあります。

これらの理由から、派遣社員は正社員と比較して雇用が不安定であるというイメージが定着しています。

派遣だってメリットはある！主な3つの利点

派遣で働くメリットは、いくつか挙げられます。ここでは、主なものを3つご紹介します。

様々な職種・業界で働ける

派遣社員として働くことで、自分の興味関心のある職種や業界で働くことができます。また、 異なる企業や職種を経験することで、多様なスキルや知識を身につけることができます。
様々な経験を積むことで、自分の適性や強みを見つけることができ、将来のキャリアアップに繋がります。

柔軟な働き方ができる

子育てや介護など、プライベートの事情に合わせて、働き方を選ぶことができます。また、 短期的なプロジェクトや繁忙期だけの仕事など、自分のライフスタイルに合わせて働くことも可能です。
複数の派遣先で働くことで、収入の柱を複数持ってリスク分散することもできるでしょう。

正社員とは異なる魅力

派遣は、正社員と比べて気軽に転職することができ、新しい環境で働くことができます。また、正社員と比べて、人間関係のストレスが少ない傾向にあるとも言えるでしょう。
職場にもよりますが、正社員と比べて自分のペースで仕事を進めることができる場合が多いです。

ただし、派遣で働く場合のメリットは、人によって異なります。
ご自身の状況や希望に合わせて、派遣という働き方が自分に合っているかどうかを慎重に検討してみてください。

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