工場や運送系の職場で働く際に有用な資格が、フォークリフトの資格です。採用選考や給与面で有利になる資格ですが、実際どんな仕事をするときに使うかご存知でしょうか？

今回は、フォークリフトの仕事にまつわる4つの疑問を解決していきます。さっそく1つ目の疑問から見ていきましょう。

そもそもフォークリフトってなに？

厚生労働省によると、フォークリフトは「荷物を積み込むフォーク、ラム等とそれを昇降させる機構（マスト）を備えた動⼒付き荷役・運搬⽤の機械」と定義されています。要するに荷物を積み降ろしするための機能を持った、移動する機械のことです。「フォーク」とは、荷物の下に差し込んで持ち上げるためのツメを指します。

工場や倉庫など、大きい荷物や重たい荷物を頻繁に動かす場所には必要不可欠な機械です。そのため、職場にはフォークリフトを動かせる人も必要となります。

主なフォークリフトは、以下の4種類です。

・ポピュラーな屋外作業向けの「カウンターバランスフォークリフト」
・小型で屋内向きの「リーチフォークリフト」
・運転席も昇降する「オーダーピッキングトラック」
・横長の荷物に対応しやすい「サイドフォークリフト」

荷物を移動させる道具としては、ほかにも「ハンドリフト（ハンドリフター）」があります。台車のように手でリフトを押したり引いたりして荷物を運ぶため、免許は必要ありません。

どんな仕事に使うの？

フォークリフトを運転する人は、主に工場や倉庫で活躍します。代表的な業務は2つあり、入庫作業と出庫作業です。

入庫作業とは、到着したトラックから荷物を降ろし、所定の場所まで運ぶ作業のことです。出庫作業とは、トラックなどの荷台に荷物を積み込む作業を指します。

荷物を積み込む際は、どのような配置で荷物を積むかを考えるのも、フォークリフト運転者の仕事になります。トラックの運航スケジュールがあるためテキパキと、かつ荷物を破損させないようていねいに仕事を進めることが重要です。

積み込みや積み降ろし以外にも、倉庫内を整理するために荷物の移動が必要な場合はフォークリフトの出番となります。工場では製造工程の補助に入ることもあります。

ちなみに、フォークリフトを使わない作業でも、荷物をフォークリフトで運べる状態にする作業は、フォークリフト運転者が担当することも多いです。具体的には、荷物を載せるパレット（荷台）の準備、荷崩れを防ぐために透明なフィルムをかけるラッピング作業などです。

資格の取得難易度は？

フォークリフトは動力を使って車輪で移動する機械であり、人力では運べない重たい荷物を動かす機械でもあります。適切に操作しなければ重大な事故につながる可能性があるため、運転するには資格が必要です。

フォークリフトの資格は2種類あります。

・積載量1t未満のフォークリフトで作業できる「フォークリフト運転特別教育修了証」
・積載量1t以上のフォークリフトで作業できる「フォークリフト運転技能講習修了証」

似た名称で紛らわしいですが、両者は別物です。それぞれメリットとデメリットがあるので順番に見ていきましょう。

特別教育

運転に関する知識や荷物の取り扱いに関する知識、法律関係など合計6時間の学科講習と、走行と荷役で合計6時間の実技講習を受けます。試験はなく、短時間の講習さえ受ければ誰でも資格が取れるので、かなりお手軽な点が魅力です。

特別教育修了証では積載量1t未満のフォークリフトしか運転できない点には、注意が必要です。すでに働いている職場で必要になり、こちらで事足りるのであればいいでしょう。ただ、転職のために資格を取るのであれば、「運転技能講習」の方がいいかもしれません。

運転技能講習

特別教育よりも講習時間が長いです。学科講習は合計11時間、実技講習は合計24時間です。講習後には試験があり、合格すれば無事に資格を取得できます。

技能講習修了証は取得に時間がかかる代わりに、どんなフォークリフトでも運転できるようになります。できるだけ職場の選択肢を広げたい方には、こちらの資格がオススメです。

フォークリフトの仕事に向いてる人って？

フォークリフト運転者に向いているのは、まず運転自体が好きな人です。業務は運転作業か、そうでなくても機械操作が大半を占めます。運転そのものを楽しめる人ならば、操作の上達も早く、より活躍できるでしょう。

運転と並ぶフォークリフト運転者の重要な仕事は、荷役です。荷物をていねいに扱える几帳面さが役に立ちます。単純に荷物が壊れる壊れないの問題だけでなく、落としたり崩れたりした際に作業者がケガをしてしまうケースもあるので、スピードと慎重さの両立が求められます。

製造業でキャリアアップしたい方、長く働きたいと思う方にはフォークリフト資格の取得がオススメです。手当などで給与面へのプラスが期待できるほか、資格があれば荷物を手で運ぶ作業の時間が減るので、相対的に力仕事を減らすこともできます。

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